ドラゴンクエスト3 [ファミコンソフトの紹介]

2023年11月4日土曜日

ファミコン


ファミコン史上最も売れたRPGであり、社会現象をも巻き起こしたゲームであるエニックスの『ドラゴンクエストIII』。今回はそんな伝説のファミコンソフトを見ていきましょう。


ロト三部作完結編

ドラゴンクエスト3は、コマンド&ターン制バトルのRPGを世に広く知らしめたドラゴンクエスト、ドラゴンクエスト2を正統進化させた作品。そして物語としてもドラゴンクエスト1と2の続編となっており、ロト3部作の完結編となります。


社会現象を巻き起こした人気ぶり

このドラゴンクエスト3、当時あまりの話題ぶりから発売時にとんでもない騒ぎが起こることになります。


発売日はどこのショップにもとてつもない長蛇の列ができ、結局買うことが出来なかった人も多数いたようです。前日からの徹夜組が現れたほどの人気ぶり。発売日が平日出会ったにも関わらずこの有様でした。


そしてこのゲームがやりたいがために会社を欠勤する人や学校を休む子供も続出したそうです。自分まだ小さかったので周りそういう子はいなかったのですが、中学生ぐらいにもなると休む人はたくさんいたのでしょうね。


さらには当日ドラクエ3を手にすることが出来なかった者の一部が、ドラクエ狩りなんてことをしでかす事態になりました。要するに恐喝です。さらにお店に忍び込んで窃盗未遂を犯す者まで…


こんな社会的な現象を巻き起こすほどにドラクエ3の人気ぶりは凄いものでした。


さて、それほどまでに人気のあった本作の中身はどのようなものだったのでしょうか。いきなり個人的な感想を言うと、もちろんクリアまでやったのですが満足度が半端なかったですね。もう何から何まで完璧で不満点は全くありませんでした。


それではもう少し詳しく見ていきましょう。


魅力的なストーリー

まずRPGと言えばストーリーが肝心かなめですよね。本作のストーリーは、ある日勇者となった少年が王様に頼まれて魔王討伐に向かうという超王道の物語となっています。世界を救う旅に出るというのは、今でもそうですが当時は特に魅力的でしたね。


主人公は王様から魔王討伐の命を受ける


斬新な職業システム

そしてゲームシステム面ではこのドラクエ3には前作と前前作には無かったシステムが取り入れられています。


まずゲームを初めて驚かされるのが職業システムです。旅に出る前にやることは、最初の町に酒場がありそこでの仲間探し。そこには戦士、僧侶、魔法使い、武道家、遊び人と様々な職業の人たちがいて、自由に仲間を決められます。


職業によってそれぞれ特徴を持っているのが面白いところです。力が強く体力もあるが鈍重で魔法が使えない戦士、回復魔法を使えるが攻撃魔法はあまり使えない僧侶、逆に攻撃魔法は豊富に使えるが回復魔法が使えない魔法使いなどなど。


戦士、僧侶、魔法使いのパーティーが最も戦いやすい


オーソドックスに行くなら上記の3つの職業の仲間を選ぶのですが、武道家なんてのもいて、武道家にしか装備できない最強クラスのロマン武器が結構序盤で手に入るなどワクワクする要素もあったりします。(ただしこの武器を持っているとエンカウント率が爆上がりするので普通はすぐに売ってしまいますが…)


転職だって出来ちゃいます

さらに主人公以外の仲間たちは途中で転職をすることだって出来ます。一定のレベルに達すると特定の場所で転職することが可能。魔法使いを僧侶に転職させていろんな攻撃魔法が使える僧侶を作ったり、僧侶を戦士に転職させてヒールが可能な戦士を作ってみたり、色々できちゃうんですよね。


そして僧侶と魔法使いの上級職である賢者にも転職できます。ただし超レアなアイテムが必要で普通は旅を通して誰か1人しか賢者にはなりません。



誰をどんな職業にするか悩むのが本作の醍醐味の一つだ


しかし、遊び人なら一定のレベルに達するとだけで賢者への転職が可能。まさかそんなことができるなんて私は友達から聞くまで全然知りませんでした。一見使い物にならない遊び人にこんな特質があるなんて驚きましたね。



遊び人の特性を生かせば賢者3人という編成も可能


豊富かつ格好いい武器防具と魔法

また武器防具が豊富にあります。ひのきのぼうや皮の鎧といったしょぼいものから始まり、や のようないかにも強そうって感じのものにどんどんレベルアップしていきます。


で、男心をくすぐる名前つけるのがめちゃくちゃ上手いんですよ…ドラゴンキラーとか王者の剣とかかっこよすぎでしょ。武器防具そのものの絵はゲーム中には無いのですが、当時は想像で全然補完できてましたし、名前見るだけで涎垂らしてましたね。



後半になると格好いい名前の武器・防具が増えてくる


あとは魔法も豊富。効果は魔法によって様々で、単体に大ダメージを与える攻撃魔法もあればグループ全体に攻撃する魔法もあったり、回復魔法もあれば防御力を一時的に挙げる魔法があったり。


そして魔法にはMPという制限が設けられているので、どの魔法をどの場面で使うのかを考えるのがRPGの醍醐味の一つでもあります。


そして魔法も名前が格好いいんですよねえ。あとメラ、メラゾーマ、バギ、バギクロスなど名前だけでもう弱そうか強そうかがひと目でわかるようになってるのが凄いです。


いつまでも心に残る名曲揃いのBGM

ドラクエ3と言えば音楽も外せません。フィールドのあの壮大なBGM。勇者となった者、そしてその仲間が悲壮な覚悟を持って旅をしているその姿ととても良く合っています。あれを聞くと今でも涙が出そうになります。


そして戦闘の緊張感あふれる曲も素晴らしいですし、そういう緊張した場所から町や村へ入ったときに明るいメロディが流れてきてほっとさせてくれるのはさすがです。


ラーミアの曲といいアレフガルドの曲といい、ドラクエのBGMって全体的に悲しげであり重厚です。どの曲も心に染みてきて、何十年も経っているのにしっかりと心に刻まれていて、ふとしたときに頭に出てくるんですよね。



本作は名曲のオンパレードで、ラーミアのBGMもその1つ


みんなのトラウマ

最後にこのドラクエ3で語らずにはいられないことを話して終わりにしましょう。それはセーブデータの脆さ。すーぐぼうけんのしょが消えてしまうんですよね。その時にでる警告音が怖いのなんの…ファミコンの有名エピソードとしてベスト5に入る…いやトップに挙げる人も多いんじゃないでしょうか。あのジングルが流れた時のショックは忘れられません…



本作のセーブデータ消失はファミコン史上最も有名な恐怖体験だ


終わりに

今回はストーリー、システム、音楽、どれをとっても超一級で伝説的な作品となったドラゴンクエスト3を見てきました。今もこれがドラゴンクエスト最高傑作と呼ぶ人も少なくないようです。こんな作品をリアルタイムで出来た自分や同世代の人たちは本当に幸せ者だと思います。